自民党は19日、党から議員へ支出され使途を公開する義務がない「政策活動費」について廃止する方針を決めた。党政治改革本部で検討中の改革案に盛り込み、21日にも決定する。今後、与野党協議を経て年内の法改正をめざす。
政策活動費は、政党から議員個人に渡され、党勢拡大や政策立案などに使われるとされる。法的な定義がなく具体的な使い道の公開義務がなかったため、6月成立の改正政治資金規正法で改善が図られたが、政策活動費は10年後の領収書公開などが検討項目として盛り込まれたのみだった。
石破茂首相は衆院選で議席を減らしたことを受け、政策活動費の廃止を含めて議論するように党に指示していた。15日までに党がまとめた改革原案では廃止と存続が併記されていたが、その後の議論で、議員個人への渡しきりができないよう廃止する方向になった。19日に政治改革本部幹部が協議し、方針を確認した。
ただし、党の支出の中で、外交上の秘密や支出先のプライバシーに関わるものは全面公表しない。代わりに第三者による監査を受ける考えだ。(神野勇人)